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2019.2.25和洋折衷 インペリアルスタイル

所在地:福岡市博多区
構 造:RC造
総戸数:39戸
築年数:築20年
リノベーション竣工:2018年

 

 

往年の建築家フランク・ロイド・ライトが日本に残した建築は洋館であり、日本建築でもあり、そしてわたしたち日本の琴線に触れる正統的なデザインです。

 

このスタイルには品格があり、威厳があり、公共性も備わり、なんといってもノーブルさが強烈ですね。

 

建築の持つ従来の個性、じっくり観察するとさまざまな長所が隠れていますね。

 

 

建物全体はファサード同様、重厚な古煉瓦色に合わせ、以前のイメージを大きく払拭します。

 

この建築スタイルにはやはりシュロが良く似合います。

内部空間も木質天井と間接照明、煉瓦タイルでイメージが統一されています。

 

1920年代頃のフォントが雰囲気を醸します。

門柱灯はこの時代性にこだわり、オリジナルのワンオフです。

 

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2019.2.1アパルトマンは 芦屋様式。

所在地:兵庫県芦屋市
構 造:RC造
築年数:築23年
リノベーション竣工:2013年




この街に古くから伝わる、伝統的芦屋様式。
そう呼びたくなるほど、ひとつの建築様式のカテゴリーができるほど、
この街で多く見かけるデザインがあります。
それはこの街に似つかわしい、この街でこそ映えるスタイルだと街を歩くたびに感じます。




芦屋様式と銘打ったリノベーションはパリの街区で見かけるアパルトマンがモチーフ。ベルエポックの滑らかな建築造形を要所にちりばめます。
芦屋様式ではロートアイアンが最重要なアイテム。用途に合わせ同じ年代、同じモチーフからスケッチしたものを鍛冶屋が叩き出しました。
白亜の壁に浮かぶ漆黒のアイアンは美しく効果的。
そしてフラッグやオーニングは悪ノリではなく、パリでは一般的な装飾なんです。




以前は周辺でも少し目立ちにくい集合住宅でした。
ホールの無いダイレクトなエントランスや煩雑な印象が、
若い入居者を遠ざけていることを容易に想像させています。
今回は大規模改修工事が外観リノベーション“外リノ”の大きな要因につながりました。




エントランス前のロートアイアンフェンスにはオートロック機能を持たせ、
この場所をエントランスホールへと昇格させています。
アイアンの扉に電気ケーブルを仕込みつつ、本場の細いシルエットを保つための試行錯誤は大変でした。
結果的に女性入居者が増加したことは想定していた結果です。




挿し色のピンクは何種類ものピンクをサンプルで検討します。
チェリーピンク。パリスピンク。オーキッドピンク。サーモンピンク。ショッキングピンク‥‥‥




小ぶりでまとまったコフレ(小箱)のような芦屋のレジデンス。
“芦屋のアパルトメント”と呼ぶにふさわしい、芦屋様式が似合うリノベーションです








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2019.2.1ジャーディン フランシス。

所在地:大阪府大阪市福島
構 造:RC造
総戸数:35戸
築年数:築20年
リノベーション竣工:2016年




ジャーディン・フランシス。それはフランス庭園の出迎えるレジデンス。
拡幅された間口と風格を与える双柱、幾重にも重なる白壁のデザインは、
この限られた空間に豊かな世界観を生み出しています。
パリを旅した人もそうでない人も、贅沢な庭園の四季を誇れるエントランスです。




建物と一体感のあった従前のエントランス。管理状態も行き届いています。
しかし反面、一体感のあるエントランスは建物に埋没し、目立ちにくいという状況も起こります。




不法投棄が見かけられたごみ捨て場、ロートアイアンのフェンスで覆うデザインです。
アイアンで引き締めたらさらに見栄えを良くしたいと、最後はサインを入れてフィニッシュです。




鮮やかな挿し色がこのゴミスペースだけでなく、建築全体の印象をより華やかに盛り上げています。
サイングラフィックもデザイナーの手によるものです。




フランス庭園ではよく見かける椰子系の植栽、効果的な配置で建築の一部となるんです。










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2019.2.1可憐なゲート 光の魔術。

所在地:埼玉県
構 造:RC造
総戸数:6戸
築年数:築23年
リノベーション竣工:2016



グラフィックが泳ぎ、シュロが躍る。
ライトアップが浮かび立たせる立体的なゲート。
建物の表情はどこまでも躍動的で可憐です。





シンメトリーが映えるエントランスのゲートは、この小さく可愛いマンションを、
ひとつ、いやふたつほど大きい建物に感じさせています。
ロートアイアン門扉の透け感も奥行きを見せる働きをし、建物のスケールアウト(錯覚)効果に役立ちました。






でも実はこの建物にはエントランスと呼べるホールはありません。
自転車をかぎ分け、階段下からアプローチするスタイルが気になりました。
オープンすぎるアプローチは女性の入居者を遠ざけてしまいます。




外リノは“見せるべき”は見せ、“隠すべき”は隠し、そして“逸らすべき”は逸らす。- が基本です。
階段までの奥行きは“見せ”
道路からの自転車は“隠し”
内部からの自転車は(ローズのアイストップで)“逸らす”
 
そんなテクを駆使しつつ、狭さを克服するアプローチをデザインしました。




女性デザイナーによる可憐なグラフィック。
時間が経つにつれ愛着が沸いてきますね。







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2019.2.1ミッドなアメリカ 京橋にあり。

所在地:大阪府大阪市
構 造:SRC造
総戸数:240戸
築年数:築34年
リノベーション竣工:2016年




大きく伸びたキャノピーは、ニューメキシコの夜空のように。
サインが際立つ石積み壁は、テキサスの民家のように。
お出迎えのシュロは、サンタフェの教会のように。





大阪の繁華街、京橋のマンション群で再生された建物は、強い個性を放ちます。
建物形状を最大限に利用したデザインは、70年代のアメリカンカルチャーへのオマージュです。
建築、インテリアからファッション、音楽、自動車、グラフィックなど
個性的な文化がアメリカから世界に発信されたアノ時代がテーマです。





おりしも日本ではこの時代、郊外ニューータウンの団地から都心部の大型マンションへと、新しい需要が生まれていました。ユニット化が未発達なこの時代、マンション建設の現場ではまだ手作業の仕事が多く、贅沢な素材もたくさん用いられているのが特徴です。
市場では中途半端な古さ感が否めない、70年代、80年代のマンション。実は熟練の手作業を感じる良い建築が多く、わたしたちはこの年代物のリノベデザインを得意としながら、同時にとても重要視しています。
なぜなら市場に価値を失いかけたこの年代の建物が非常に多く、多くを再生することで市場の価値が高まっていくと考えているんです。






内部のホールも同じくテキサスな味付けでまとめています。
床材や壁材など既存の仕上げを多く生かしながら、要になる要所はしっかりデザインをしています。
今回特に壁面の照明器具などオリジナルの製作物が際立ったインパクトを与えてくれました。











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2019.2.1ウエストコースト ミュージアム。

所在地:岐阜県岐阜市
構 造:RC造
総戸数:50戸
築年数:築28年
リノベーション竣工:2017年




端正で引き締まったファサード。西海岸のミュージアムを髣髴させます。
ステップもより厳格な雰囲気を演出していますね。




基本的な形状はほとんどオリジナルです。
手摺や植栽、庇の形状などに手を加えただけですが、
以前とはこれほど印象が異なります。




白い壁にワシントン椰子が美しく映えます。西海岸ですね。
ライトに浮かぶ木質の軒天井が効果的です。うまくいきました。




既存のインターフォンをアイアンで演出しました。
アンティークのランプは70年代のメキシコ製です。
天上への反射がきれいですね。




生まれ変わった廊下はインディゴと木調ドアのコンビネーション。
さりげないサインも効果的です。




全体的に彩度がコントロールされて、
華やかだけどシックな印象を持たせるようにデザインします。










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2019.2.1旗竿地 博多の高級リゾート。


所在地:福岡市
構 造:鉄骨鉄筋
築年数:築20年
リノベーション竣工:2016年






博多の繁華街、分譲マンション群にあってひときわ目立つマンションサイン。
高級リゾートホテルのエントランスゲートを彷彿させるのは、
賃貸マンションのゴミ置き場を利用したファサードの演出です。





端正な造形に再生されたエントランス。重厚で趣のある表情は、変わることなく優しい出迎えをしてくれます。





リノベーション以前でも、きれいにタイル壁が保たれた外観が自慢でした。
でも、旗竿地で道路から奥まって存在する玄関は、周囲のマンション群に少し埋もれ気味で
地味な存在でした。






今回のリノベーションではこの旗竿地による長い通路を、リゾートホテルの華やかなアプローチに見立て、
コニファーやライトアップで優雅に演出しました。
“遠くて疲れる通路”から“奥行きが優雅なアプローチ”に変身させる瞬間です。





元々大きな開口が目立っていたエントランス。開口部の外側をパティオに仕上げることで、エントランスへの取り込みに成功しています。
外部空間の有効活用はエントランスに広がりが生まれ、来訪者へのインパクトも効果的ですね。





この場合、パティオの仕上げ材は内部と一体感を持たせることが重要です。
小さなパティオでも、建物に十分な余裕と優雅さをもたらせてくれますね。





デザインのこだわりは共用廊下の階数表示板にも表れています。
ロートアイアン(鍛鉄)をアレンジしたサインは職人の手作業の温もりと同時に、
オーナーの心の温もりすら感じさせたいわたしたちの強いだわりです。





もちろん建築造形のこだわりだけでなく、ここにしかない詳細のこだわりも、わたしちが大切にしたい部分ですね。








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2019.2.1佐伯祐三が描く パリ下町。【動画】

所在地:神戸市中央区
構 造:RC造
総戸数:6戸
築年数:築44年
リノベーション竣工:2018年


絵画のように情緒的なパリの町並み。
実際、キャンバスに描かれたパリの景観は無数に存在していますよね。
リノベーションをデザインしているときも同じ、自然に画のような建物に仕上がることがあります。


居留地のある町、神戸は、特別な洋館でなくても洋風な住宅やアパートが、昔から数多く存在しています。
そういった建物のリノベーションをデザインする場合、
出来る限りオリジナルの建築や個性を崩さないようデザインします。
今回の外リノはまさにオリジナルの形状を生かしました。
突きだした階段、煙突が仕込まれたように大きな間仕切り壁、屋内型の廊下゙‥‥。


オリジナルでも十分に味わい深い建物。
これを取得されたオーナーの目利きとセンスはさすがです。


電灯に灯されたルージュの壁面、建築の仕上げよりもむしろ
微妙な照度具合や、アンティークな器具探しにこだわってたりします。


黄昏に照らされる建物、見事に絵画的ですね。
それはもう佐伯祐三の描くパリの下町です。

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